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Back to 2013 Vol.1


KYOUというブランドをスタートし、

早いもので1年が経ち

7月より2ndシーズンが立ち上がります。


​何故ブランドを始めたのか。


このファッション不景気の時代の中、

終わりかけのファッション産業の中に

わざわざ身を投じたのか。


KYOUはどこへ向かってどこへ行くのか。


様々なクエスチョンを少しでも伝えれればと思い

このJOUNALの中で綴る事としました。



まずは少し昔の話を。



2013年、私は彼の地アメリカに渡ります。


ロサンゼルスの南、ロングビーチという

海沿いの街で

アメリカでの生活をスタートするのですが

(通りを超えたらカリフォルニアのビーチ、一度も海には入る事は叶いませんでしたが)


サウスカリフォルニアともいうべき、ヒスパニックカルチャー

ラテンアメリカの文化が入り混じる静かで美しく

長閑な街に腰を据えます。





現地のCommunity College(短大のようなところ)に通いながらビザのステータスを維持し

毎シーズンやってくるファッションウィークに

NYへ行き来する生活をスタートしました。

NYでの話はまた別のジャーナルで綴ろうと思います

ロングビーチの街はとてもユニークで


​ぽつんとアートギャラリーがあったり

ラテンアメリカンカルチャーにフォーカスした

ミュージアムがあったりと

日本人は少し背筋がピッとなるアートが

とても身近な距離感で存在しています。


近所を徘徊・探検するわけですが

E 4th Streetと呼ばれるエリアがステイ先から

とても近くルームメイトと

特に用事もないのに足繁く通いました。



通称"4th"の一画には

*スリフトストアやヴィンテージショップ

商売をする気があるのか分からない雑貨屋

古いシアターが立ち並ぶ

ローカルなストリートでした。


すっかり"4th"の魅力に圧倒された私は

隙あらば通りに赴き

スリフトストアを物色するようになります。


信じられないほど古着が安い


見たことない何だろうこれ。


当時、金銭的にぎりぎりの生活の中で

垣間見えた刺激的な時間でした。



​*スリフトストア 寄付で成り立ち洋服、雑貨、家具までも揃える店、

寄付した金額分の領収書によりTAXバックが申請できるユニークなシステム





通りの終わりには​一軒のカフェ

毎日といっても過言ではないほど通った

Portfolio Coffeehouseに立ち寄ります。

"P Cafe"で2ドル20セントのコーヒーを買い


心安らぐ場所


好きな人と語らう場所


集まる場所としてまた次の日も訪れます。


この場所は本当に忘れられない原風景の一つです。


文字にして今思うととても愛おしく

素敵な時間でした。



アメリカに渡ることは幼い時から

心の中で決めていました。


私の母はアメリカ映画が好きで

内容が全く理解できない年齢にもかかわらず

幼少期から映画を見せてくれました。


映像の中のアメリカは幼い私に

文字通り夢を与え

映画を見ていると不思議な時間が

自分の中で巡ります。


「映画を見る時間はかけがえのない財産なんだよ。大切にしようね」


幼少期から母が、口癖のように言っていた言葉が

今では頭の中でリフレインします。

決定的なきっかけはそこからなのかな。

と思います。

住まいや環境を変えることに躊躇いがなく

むしろワクワクしてしまう性分なのですが

たった一つ自分の中で得た知見があります。



”環境が変わることで人は成長する”


アメリカでの生活は3年も満たず

とても短い時間でしたが、

今の私の個を形成する代え難い時間でした。



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